第5回 医療メンテナンスについて

当社事業の柱のひとつである医療メンテナンス、取り扱いますがん治療用X線装置(直線加速器(リニアック)装置)、重粒子線装置は、近年がん治療における放射線治療のニーズ拡大により応用範囲が拡がり、世界中で装置設置台数が増加しています。

我が国では、1000台を超える従来型の直線加速器(リニアック)装置に加えて、陽子線、重粒子線を用いた粒子線装置が30台近く導入され(1994年~)、放射線治療において重要な役割を果たしております。世界で稼働中の重粒子線装置は60台余(1990年頃~)ですので、日本は有数の重粒子線治療大国となってきています。

重粒子線装置で加速する粒子は、陽子、炭素イオン、主加速器はシンクロトロン、サイクロトロンです。世界ではシンクロトロンとサイクロトロンがほぼ同数、日本はシンクロトロンが多く、米国はサイクロトロンが多いようです。

直線加速器(リニアック)装置のX線エネルギーは通常4~18MeV、重粒子線装置の最大粒子エネルギーは230~250MeVが主流です。

当社は主にリニアック、シンクロトロンを対象としたメンテナンスサービスを行っており、当社技術者は重粒子線装置の運転・メンテナンス経験も有しております。

また、第4回コラムで紹介した「加速器ハンドブック」(日本加速器学会 編、発行元 丸善出版株式会社)の第17章医学利用には、放射線、加速器の医学応用(診断、治療)の技術概要と最新動向がまとめられていますので、関心をお持ちの方は是非参照下さい。